2009年 03月 17日
番外編 ロワールの旅ークロタン・ドゥ・シャヴィニョルを訪ねてー |
今回のロワールの旅では、ワインだけではなく、「ヤギが見たい!」「美味しいクロタンを食べたい!」というお客様のご要望がありました。こういうご要望は大歓迎!プランをたてるのにも気合いが入ります。
そうして見つけたのが、Ferme de Port-Aubry
Chavignolから15キロほどの町、Cosne Cours sur Loireにある唯一の農家です。
こちらには500頭あまりのヤギが飼育されているそうです。
ちょうどこの時期はお産の時期だそうで、私たちも10分前に生まれたばかりの子やぎ(写真手前)を見ることができました。ヤギの赤ちゃんって結構大きいのにびっくり。
その後この農家のご主人、エマニュエルさんにチーズ工房を案内していただきました。
搾乳されたヤギの乳を暖めて、乳酸菌を投入し発酵させるところ
馬の胃からとった凝乳酵素(レンネット)を加えて凝固させるところ
カードを型にいれて成形中
塩をして乾燥中
温度・湿度管理された部屋の中で熟成中。10日以上から食べ頃。
ところでCrottinの由来はCrotte(=糞、カビに覆われた形がよく似ていたから。食事中の方すみません!)と信じていた私。ところが、実はこの昔の素焼きの型こそ"Crot"と呼ばれるもので、元はオイルランプ、そしてチーズの型として使われるようになったものだそうです。CrottinというのはこのCrotから派生する言葉のようです。いろいろ勉強になるわ〜
更に更に、このCrottinがこの地方で消費されるのみだったのが、なぜ今やここまでメジャーなチーズになったかというと、突き詰めればフィロキセラのおかげらしい。
・・・19世紀後半にヨーロッパを襲ったフィロキセラは、例外なくこの地も襲い、サンセールのワイン農家も打撃を受けた。その当時のワイン農家はチーズ農家も兼業しており、ワインが壊滅状態に陥ったが故、生計を立てるためにチーズ作りをより積極的に行い、生産量も爆発的に拡大した。折しも、パリ・ヌヴェールの交通網の発展も後押しし、作られたヤギのチーズがパリジャンにも食されるようになり、その名声も確固たるものとなった
こんなところでもワインとチーズはリンクしているのですねぇ。
この農家ではエマニュエルさんの熱心な説明を聞けるだけでなく、併設のブティックでこの地方はもちろん、フランスのほかの地方の名産品も購入できます。どれも工場生産ではなく、職人仕事にこだわったものばかり。
もちろんエマニュエルさんのcrottin de chavignolもこんなに。熟成違いで揃っています。一番古いのはなんと1年熟成!
こちらはこの地方の銘菓Craquettes
プレーンのをお土産に買いましたが、紅茶に浸して食べると美味しかったです!
収穫盛りだくさんのチーズ農家訪問でした!
Ferme de Port-Aubry
Port Aubry 58200 Cosne Cours sur Loire
03.86.26.63.61
http://www.portaubry.com/
by saveurs
| 2009-03-17 20:46
| 旅 ロワール